ゲームのグラフィック設定、みなさんどうしてますか?
私は初期設定をいじるのが三度の飯より大好きで、新作ゲームが出ると数日はグラフィック設定画面とにらめっこ。
「あーじゃね、こーじゃね」と調整しながら、高設定にするともれなくグラボが熱を帯びる!という真冬に嬉しい効果付きです。
…いやいや怖すぎて、なんとかグラボの負荷を50〜60%くらいに抑えようと必死なんですけど。
そして、いまだによくわかっていないのが今回のテーマ
アンチエイリアス!!
正直、ONとOFFでなんとなく違いは感じるけど、劇的な変化があるわけでもなく…。
しかも設定にはTAA、FXAA、MSAAとか、いろいろあってもう大混乱!
「これはちゃんと調べて、まとめておかないといかん!」
…というわけで、自分なりに「アンチエイリアス」の基本と違いをまとめてみました!
アンチエイリアスとは? ゲームにおける基本の役割
アンチエイリアス。
画像ソフトでもよく見かける効果で、馴染みがある人も多いですよね。
でも、ゲームにおけるアンチエイリアスって、わかるようでわからない項目の一つかもしれません。
イメージとしては、どんなに美しいCGでも結局は細かな点の集まり。
髪の毛や肌など、境界線の部分に「ジャギー」と呼ばれるギザギザのガタツキが出てしまいます。
アンチエイリアスは、それをうすらぼんやりとぼかすことで、よりリアルな質感を演出してくれる機能。
こんなエフェクトだと、とらえています。
…でも本当にそれだけなのか?
ということでゲーム画質におけるアンチエイリアスの基本を改めて整理していきます!
アンチエイリアスをONにするとどうなるの?
境界線のギザギザが自然にぼやけて、より滑らかな映像になります。
特に髪の毛や肌の縁、建物の直線部分など、ディテールの輪郭がやわらかく自然に見えるのが大きなポイントです。
結果として「リアルさ」や「美しさ」が格段に向上する一方で、処理負荷が増えてフレームレートが下がることもあるので、バランスが大切なんです。

OFFの場合だと良くも悪くも「ハッキリしすぎ」ていますね。
静止画像ならまだ良いのですが、ゲームのように動きがある場合、髪の毛などの境界線になる部分はどうしてもギザギザが生まれ気になってしまう場合があるので少しぼかすことで不自然さをなくすようなイメージでしょうか。
ところで、よくアンチエイリアスの設定で出てくる
TAAやFXAAという項目がありますけれど…
これで何が変わるの〜?
ということでさらに深堀りしていきましょう。
TAA・FXAAどっちがいい? ゲームでよく見る設定の違い
またゲーム設定でよく見かける「TAA」や「FXAA」。
どちらもアンチエイリアスの一種で、ジャギー(ギザギザ)を抑える役割を果たしますが、実は仕組みや効果に結構な違いがあるんです。
ここではそれぞれの特徴と、どんなシーンやPCスペックに合うのかを解説していきます。
TAA・FXAAの特徴とシーン別の向き不向き

ゲーム設定でよく見かける「TAA(Temporal Anti-Aliasing)」と「FXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)」は、どちらもジャギーを抑える技術ですが、仕組みや向いているシーンに違いがあります。
仮で作った“今どきのゲームっぽい”キャラで再現してみました。
当然実在しないゲームなんですが、銃を片手にサバイバルしてそうな美人さんですね。
TAA(Temporal Anti-Aliasing)
【複数のフレームを時間軸でブレンドして、滑らかな映像を実現する方式】です。
動きの多いシーンでも輪郭を自然にぼかす効果があり、特にオープンワールドやフィールド探索など、キャラクターが常に動き回るシーンに向いています。
ただし、動きが激しいシーンでは「ゴースト」と呼ばれる残像やブレが目立つことがあるので注意が必要です。
高画質を重視するならTAAが向いていますが、そのぶん処理負荷はやや高めです。
上の画像でいうと右側になります。
髪の毛や眉毛など部分的にぼかしつつ、髪の一本一本や肌の表面は質感がはっきりわかりますね。
一言でいうと「パキッとした」張りのある効果となっています。
FXAA(Fast Approximate Anti-Aliasing)
レンダリングが終わった後に全体を一括でぼかすポストプロセス型です。
処理が軽く、さほどスペックが高くないPCでも負荷を抑えやすいのが特徴みたいです。
ただ、髪の毛や装飾品など、細部まで描き込んだ部分がぼやけて見えることがあります。
むしろアンチエイリアスをかけないほうが良い印象の場合もありますね。
室内やメニュー画面のような静止が多いシーンでは、FXAAの軽快さが活きてきます。
左の画像です。
全体的にぼかしを入れた感じなのでふわっとした印象です。
処理がシンプルなのでPC・グラボへの負荷は少ないですが、左右で比較してみると
「TAA」の結果いいなぁ…と感じてしまいました。
まとめると
こんなふうに、どんなシーンが多いか・どれだけ負荷をかけられるかで選ぶのがポイントです。
これにこだわりだすとゲームどころじゃなくなります!!
他にもある!アンチエイリアスの代表的な種類(MSAA・SMAA・TSRなど)
TAAとFXAA、調べてみたのはいいんですが…
ゲームによってはまた違うアンチエイリアスが出てくるので、ここでまとめてみました!
正直、アンチエイリアスってパッと見では変化がわかりづらい効果。
だから「そもそもONにする必要あるのか?」と思う人も多いかもしれません。
(私なんか視力が低いので常にアンチエイリアスかかってます…笑)
でも、せっかくならそれぞれの違いを知ったうえで設定を楽しみたいですよね。
…もうここまで来たら、ゲーム本編なんてどうでも良くなっちゃうのでご注意ください!
この他にも、いくつかのアンチエイリアス方式が存在するみたいです。
よく使われるものを、特徴をざっくりまとめてみました!
アンチエイリアス手法 | 仕組み | 特徴 | 画質 | メリット | デメリット |
FXAA | ポストプロセス型(レンダリング後に全体的にぼかし処理) | 計算が軽い!GPU負荷が低い | 全体がややソフトフォーカス気味 | 軽い!古いPCでも快適 | 細部のぼやけがち |
TAA | 複数フレームを時間軸でブレンド。残像感を活用 | 動きのあるシーンで威力を発揮 | エッジがなめらか&自然。動きでゴースト感が出ることも | 非常になめらかで美麗なエッジ | 動きのある部分がブレたりゴーストアーティファクト |
MSAA | 複数サンプルをピクセルごとに計算し、細部のエッジを補完 | 高品質なエッジ補完。性能は中程度 | 非常にシャープで自然な見え方 | 非常に高品質なエッジ補完 | 処理負荷が高くなる |
SMAA | エッジ検出と重みづけサブピクセル補完を組み合わせる | 非常にシャープなエッジと軽量さを両立 | シャープで自然なエッジ補完 | 軽量で高品質なエッジ補完 | 処理負荷が高い場合もある |
TSR | エピックのアップスケーリング+アンチエイリアス技術(DLSS類似) | 高品質&高負荷。次世代のリアルタイムアップスケーリング | 極めて高精度で自然な見え方 | 最新技術で最高品質の映像表現 | 対応ハード要件が高い |
おわかりいただけただろうか?
こんなものに一度こだわりだすと“設定しては確認、設定しては確認”
のエンドレス設定祭りが始まります。
ということで、スペックに合わせつつ負担はほどほどが良いと思います。
なぜなら他のグラフィック設定のためのリソースを残しておかねばですし、肝心のゲームを快適にプレイすることが最も大切だと思います。
ゲームに合わせたアンチエイリアス設定のコツ
どんなに高品質なアンチエイリアスでも、ゲームの種類やプレイ環境によって合う・合わないがあるもの。
ここでは、設定をうまく調整するためのコツをまとめてみました!
ゲームジャンル別の目安とこだわりポイント
アドベンチャーゲームや探索系の作品など、動きが少なくカメラも固定気味のゲームなら、軽量なFXAAでも十分キレイに見えることが多いです。
FPSやアクションのような激しい動きが少なく、ジャギーが目立ちにくいから、軽いFXAAでもOK。
ただし、アンチャーテッドシリーズやTHE LAST OF USのように映画的な美しさを追求する作品では、TAAやTSRなどの高品質アンチエイリアスが圧倒的に効果的です。
私のオススメは被写界深度やモーションブラーを活かした“映画的な見た目”を求める人にはTAAが良いのではないかと思います。
逆に、アクションやFPSシューティング系では滑らかさを重視してTAAなどが良いかもしれません。
PCスペックと相談する大切さ
高い演算処理しまくりで「ヒーヒー言わせたらPCが泣く」というのはご存知でしょうか?
具体的には、例としてGeForceツール(GeForce Experience)を使うと、画面に現在のFPSやGPUの使用率を表示させることが出来、リアルタイムで負荷をチェックできます。
無理して高負荷をかけると最悪ブルースクリーンで強制終了なんてことも…!?
私なんかはビビりなので、GPU使用率50〜70%くらいを目安にしています。
ちょっとケチな設定かもしれませんが、PCを大事にするならこれくらいが安心です。
とはいえ、ゲームによっては100%張り付きでも普通なので、「80%台で遊べる設定」が一つの目安とも言われています。
この辺は実際どうなんでしょうね。80%とか怖すぎて…。
少なくとも結構熱くなるのは間違いありません。
迷ったら“快適さ”優先!
どんなに高品質なアンチエイリアスでも、結局のところ大切なのは「美しさ」と「快適さ」のバランスです。
ゲームを心地よく楽しむために“負荷をかけすぎない設定”を見つけていくのが一番のコツだと思います。
設定をいじりながら、自分にとって一番楽しいポイントを探していくのがゲームライフの醍醐味ですね!
【比較画像おまけ】ON/OFFの差をチェック
ということでせっかくなのでアンチエイリアスの比較をもう少ししてみたいと思います。
エフェクト効果の有無を見つけようとすると、もはや間違い探しに近いものになってしまいますが
ちゃんと左右でON/OFFの差を作っています。
ギザギザ代表 part1|バラン
はい、ギザギザと言えばバランですね。お弁当の仕切りに使うあれでおなじみです。
わかりにくいですが微妙なエッジのギザギザが解消されています。

ギザギザ代表 part2|ギザ10
これは生成AIの極端ですがギザ10のギザギザもアンチエイリアス…。
されてる?これ??なんか色々気になる画像ですね。

ギザギザ代表 part3|ギザギザハート
これはあまりにも極端な例ですが、アンチエイリアスの良い例だと言えます。
右側のハートは子守唄を聞いてやっと落ち着いたのでしょうね。

ギザギザ代表 part4|ギザの大ピラミッド
非常にわかりやすいですね。空との境界部分がジャギーになりやすい部分です。
こういう部分が動きのあるゲームだとさらに気になるんですよね。
そんな時のためのアンチエイリアス処理です。

アンチエイリアスまとめ|どれがいいのか?お好みを探してみる
さて今回は「アンチエイリアス」についてのお話でした。
「なんかよく分かんない設定」から一歩進んで、
“映像の滑らかさ”と“PCの負荷”を天秤にかける技術だってことが分かったと思います。
私も今回の記事を書くにあたって色んな情報を見てみたのですが、
TAAやFXAA、そしてMSAA・SMAA・TSR…
この違いは結構興味深い発見がありました。
それぞれの仕組みを知っておくだけでも、自分に合うゲーム設定がぐっと探しやすくなると思います!
ぜひグラフィック設定の鬼になって下さいね!
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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